久々ですが続きです。


あまりに多忙でゴールデンどころかブラックな週間を過ごした今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
色々あって、久々の更新です。
今回は、前回お話しした「ブランディング」の続き。どういった商品をどういった相手にどういった方法で攻めれば勝てる確率が高いかを考えていきます。


さて、まずは商品開発のお話から始まります。
何かの新商品を考えるにあたって、まずまっ先に意識しないといけないのが「CI」です。前回も触れましたが、コーポレート・アイデンティティというのは会社(ブランド)のイメージそのものです。ですから、新商品はこのイメージから著しく逸脱するようなものではダメで、CIに沿っているかまたは延長線上にある企画である必要があります。例えば某ユニ○ロが高級志向で数十万のスーツを出す、なんて提案はないです。もしどうしてもそうしたいのなら、まずはCI(というかブランドイメージ)を先に変えるプロモーションを行なう必要があります。当然ですがそれには事業変更に匹敵するリスクを背負う覚悟とそれなりの投資が必須です。
もしくは別ブランドを立ち上げるか、ですね。継続して同様のラインの商品を展開するのであればこれはありですが、相応の余裕がないと取れない戦略でもあります。
例えば飲料メーカーが新商品を考えるとする。清涼飲料メーカーであれば高級洋酒の企画はないですよね。当然、清涼飲料系(もしくはお茶系とか)になります。で、まずは自社の強みを生かしたもの、弱点を補うもののどちらでいくかの二択をしなければいけません。まぁ強みを生かしつつ弱点を補強する案ってのがあればそれもありですが。
では具体例。例えば果汁100%系が強いメーカーの場合。
この場合は強みを生かして「より高級志向のプレミアムジュース」とか
弱点を補うという方向で「後口スッキリな炭酸系飲料」とか
いろいろ浮かびますよね。
では、例えば今回は後者の「後口スッキリな炭酸系飲料」で企画を立ててみましょう。
せっかく果物に強いメーカーですから、ここは「本物」色を出しましょう。某F○NTAのような爽やか100%ではなく、スッキリな中にもしっかり本物の味を生かす方向です。肝心の味ですが、これは数種類を実際に試作し、サンプリングで消費者の方々にテストして頂き、いくつか選んでもらってそれを煮詰めていきましょう。
(※水を注すようでアレですが、このような「スタートラインから全部」という形はよほど実績や信頼がないと成立しませんので、大概はこの部分が既に決定している状態でスタートすることになるでしょう)


さて、新商品が決まったところで次はパッケージデザインです。商品の特性とCIをきちんと踏まえて考えていきましょう。
まず「スッキリ炭酸系」ですので、濃い色のパッケージはあんまりいただけませんね。爽やか感を持たせる色使いが必要です。また装飾も同様。あまりに高級志向すぎる(ゴシック調の飾りとかね)装飾はあんまり合いません。ただ今回はメーカーが果汁100%系を得意とするので、あまりにシンプル過ぎたり装飾文字がドーンと斜めってるようなのも合いません。
これらを踏まえ、ここでは例えば

ナチュラル志向の爽やかな草原をイメージしてデザイン
・白を基調としながらも、薄いメタリック(金や銀)で果物をモチーフに装飾をした、高級志向寄りのデザイン
・各々の使用果実の色をベースに、直線的なカットを用いた切れ味鋭いデザイン

の3パターンを提案してみましょう。制作は自分でやってもブレーンを使ってもいいですが。


・・とまぁ、こんな感じで提案したものを担当者に見せ、ブリーフィングを重ねて内容を詰めていくわけです。この時、同時に考えなければいけないのは「販売促進の手法は何か」という点。流通ルートを踏まえたプロモーション戦略に適さないパッケージでは、どんなにカッコよかろうがダメですからね。例えば自販機/コンビニ売り中心のミニペットであれば上下左右にはジャンルの近い他の商品が並ぶわけですから、そこで全く目立たないようでは話になりませんし、逆にあまりに浮いてしまうのもダメです。
このように、単なるカッコよさだけではなく色々な事を踏まえて商品企画は行なわなくてはなりません。


今回はここまでにします。続きは後日。